作業手順一覧

※仕上がる本の厚みは紙の厚みによりますが、大体 [ 0.054(mm)×ページ数 ] 前後が目安になるかと思います。
実際に作成した本の実測は以下。
370page=20mm、250page=13mm、120page=6.5mm

参考画像

同じ厚みでグルーを塗っていったところ。
表面はがたがたですが、全てのページがグルーの下に埋まっているように仕上げます。
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本の背表紙を上から見た所。
ピンクがグルーを盛った部分。
本の表裏と背表紙がグルーによってスムーズにつながると、仕上がりもきれいです。
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背固め

溝を埋める

グルーガンを十分に加熱してスティックを装填します。
グルーガンの先端を溝の真ん中あたりにくっつけて、素早く引き金を引きます溶けたグルーが勢い良く溝に沿って広がるので、空気が入り込みにくいです。
全ての溝に、グルーを隙間なく注入していきます。背の中央に止めたクリップは、必要に応じていったんはずして作業します。その際、押し付けたグルーガンの先端で背が開かないよう気をつけてください。

背固め本番

次に不揃いな裁断面の縦溝を、同様にしてグルーで埋めていきます。
この時も、背中が開かないように気をつけます。
縦溝も埋まったら、本の厚みに応じて、背に約0.8 mm 〜 1.5 mm の厚みでグルーを塗っていきます。
もしグルーを出しすぎてしまったら、グルーガンの先端を押し当てて溶かし、横に伸ばしましょう。
出来る限り均一に。でも少々でこぼこでも構いません(参考画像参考画像)。あとでアイロンできれいにしますので。
厚くなりすぎると背が硬くて開きにくい本になりますし、薄すぎると本を開いた時に背が痛みます。

グル―を盛る

特に背の両端 1cm は少し厚めにグルーを盛ります。
あとで余分なグルーを押し出して切断するからです。この部分は本の仕上がりに影響します。
グルーで背をしっかり固めたら、目玉クリップと竹定規はもう必要ないので、はずします。

表裏にも薄塗り

次は本の側面に薄くグルーを塗っていきます。幅は 5 mm くらい。表紙と接着する部分になります。
側面に塗ると同時に、背のグルーと側面の隙間も埋める感じで(挿絵挿絵)。
終わったらよく冷まして、本をぺらぺら開いてみます。背の硬さが頼りないと思ったら、背にグルーを足してください。

背をならす

アイロンを化繊の温度に熱します。最初は低い温度からグルーの溶け具合を様子見します。
クッキングシートで背表紙を包み、立てて置いたアイロン面へ背を平行に当てます。すぐに上の方から覗いて、グルーの状態を確かめます。
あっという間に透明になってトロトロに溶けてしまったら、アイロン温度が高すぎた証拠。すぐに背を放してグルーを冷まします。
背を軽く押し当てた時、グルーがじわーっと徐々に透明になるくらいが丁度いい温度です。
最適なアイロン温度を見つけたら、アイロンに軽く押し当てるようにして背中全体のグルーを溶かし、厚みを均一にして、凹凸をならします。

もし背にグルーを厚く塗りすぎていたら、アイロンに強めに押し当てて余分なグルーを脇にはみ出させます。
ちょっとはみ出たらよく冷ましてからクッキングシートをはがし、はみ出た所をカッターで削ります。最適な厚みになるまで繰り返します。
一度にたくさんグルーを脇に押し出してしまうと、溶けたグルーがページを汚してしまいます。

上下端の押し出し

背両端の余分にグルーを盛った部分は、こんな感じで押し出します。
上端と下端、それぞれ本を上下に持ち替えて丁寧に押し出します。
押し出したらアイロンから放して冷まします。
クッキングシートは、グルーが冷めて固まってからそっと剥がします。固まりきらないうちに剥がすと、グルーが糸を引いてページを汚すので注意してください。
冷えたら押し出した部分をカッターで切断します。

穴埋めと気泡つぶし

アイロンで背のグルーが平らになりました。
もし穴があいていたら、グルーで穴を埋めて再度アイロンでならしてください。
左図のような気泡も出来ていると思いますが、小さいものは無視して構いません。
大きい気泡は背表紙の仕上がりに影響してくるので、グルーガンの先端をくっつけて気泡を溶かし潰し、穴を埋めます。

仕上げ

背がきれいにならされたら、仕上げです。
横方向にも背のグルーが少しはみ出ている状態ですので、本を倒してアイロンをかけ、平らにしていきます。はみ出たグルーはページの方へ、表紙ののりしろになるよう薄く伸ばします。
はみ出た部分が多すぎるようでしたら、事前にカッターではみ出し部分を切断して、アイロンで形を整えます。

完了

これまでの工程で、こんなになりました。
グルーも本の形に合わせて四角くなっています。
次は本の表紙を作成&接着していきます。

参考画像

同じ厚みでグルーを塗っていったところ。
表面はがたがたですが、全てのページがグルーの下に埋まっているように仕上げます。
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挿絵

本の背表紙を上から見た所。
ピンクがグルーを盛った部分。
本の表裏と背表紙がグルーによってスムーズにつながると、仕上がりもきれいです。
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